カビ・虫食い

●絹製品のプリーツ加工は安定しません
●塩化ビニルの素材使いはドライできない
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 絹製品のプリーツ加工は安定しません
ファッションデザインとして、シワ加工やプリーツ加工が流行しています。色々な素材の製品にシワやプリーツがデザインされていますが、絹だけは安定した加工法が開発されていません。プリーツ加工品を購入する際は、このことに注意するとより長くファッションを楽しむことができます。

■濡れると消えてしまう絹のプリーツ
耐用性のあるプリーツ加工は、各種の素材の性質に対応した加工が開発されてきました。化学繊維の多くは熱可塑性(熱によって型付けする)を応用しています。ウールや絹は、それぞれ特殊な薬品によって加工します。しかし、絹素材については有効な加工技術が開発されていません。このことから、一定の着用期間後またはクリーニング後再度プリーツ加工を繰り返す必要がありますが、細かく複雑なプリーツは再現することができません。
表示に「絹100%」とあるプリーツ製品は、長期間楽しむことができないものと心得ておきましょう。雨や汗に濡れたら、プリーツが取れてしまいますので注意しましょう。撥水加工で水を防止すると多少効果があります。
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 塩化ビニルの素材使いはドライできない
デザインのアクセントに、ビニール素材(ポリ塩化ビニル)が使用されている場合、ドライクリーニングすると、ビニールが硬くなってしまい、ひび割れることがあります。

■塩ビ素材にはプラスチックを柔らかくする薬品が溶かし込まれています
塩ビ(ポリ塩化ビニル樹脂)は、水道管に使われるように、本来は硬いプラスチックです。衣料素材として使われているものは、ドライクリーニングに使われている溶剤と同種の液体に可塑性(柔軟にする薬品)を溶かし、その中に硬い樹脂を漬け込むことによって、柔らかな風合いに加工しています。塩ビ素材が使われているのに、水洗い禁止、ドライ可表示になっている場合があります。しかし、これをドライクリーニングすると、可塑剤が溶け出してポリ塩化ビニルがカチカチに硬くなり、ひび割れてしまうことがあります。購入の際には、表示にポリ塩化ビニルまたはPVCという表示があることを確認しましょう。
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