強燃糸使いのツーピース

最近人気のブランドもので、生地使いがとてもおしゃれな製品です。クリーニ ング後、全体が少し縮んだとクレームがありました。
イメージ イメージ 一見、強撚糸使いと判断できない生地ですが・・・
イメージ 実体顕微鏡で観察すると、タテ、ヨコ共に強撚糸が使われているのがわかります。
組成表示 表:毛92%、ナイロン8%
裏:アセテート61%、キュプラ39%
絵表示 イメージ
発生原因 撚りの緩みが縮みのもとに生地構造を実体顕微鏡で観察してみると、タテ糸 、ヨコ糸に強い撚りの掛った糸(強撚糸)が使われ、その間に飾り糸が織られているものとわかりました。組成表示から地組織に毛、飾り糸にナイロンが使われているものと推測できます。強撚糸は水にぬれると、強く撚った撚り糸が元に戻ろうとし、縮みやうねりを起こすことがあります。また素材が毛という点からも 、この製品は水の影響を受けると、縮みが生じやすいものであることがわかります。そこで改めてスーツを広げてみたところ、両脇に部分的なうねり、スーツ上 衣の背中部分にはうねりとともに背筋線のヨレも見られました。うねりが部分的なものであり、縮み具合も少ないことを考え合わせると、スーツ全体が水にずっぽり浸ったものとは考えにくくなります。また、全体を溶剤に浸漬するドライクリーニングでは、こうした部分的なうねりは発生しません。両脇、背中部分は特に汗をかきやすい部位であることから、恐らく着用中にかいた汗で毛繊維が膨潤収縮したうえに、糸の撚りが緩み、製品全体の縮みとなったものと考えられるでしょう。汗程度では起きにくい縮みだったとしても材と撚りという2つの要因が重なったことで発生したトラブルといえそうです。
縮みに気づかずに持ち込まれることが・・・
繊維分解鏡で生地構造を見ることが出来ます。
強撚糸使いの製品の縮みは、着用中の洋や雨にぬれて生じたものが、気づかれないまま乾いて持ち込まれ、トラブルになることが少なくありません。強撚糸使いの製品は、汗や雨にぬれたかどうか確認し、お客さまとカウンターチェックを行うようにしましょう。強撚糸かどうか判断がつきにくい場合は、繊維分解鏡で確認することができます。繊維分解鏡は、カウンターチェックの道具としても重宝です。

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