ワイシャツの衿剣先による穴あき

衿の剣先が当たる前身頃部分が損傷。特に右の部分は1cm程度の穴があき、 左の部分もかなり生地が薄くなっている。
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組成表示 綿100% 斜文織(綾織)構造
発生原因 これは、明らかに着用時の擦れによる生地の摩耗によって発生したものである。ただし、擦れによって切断され付着していた繊維クズが、クリーニングによって一掃され、損傷状態が明らかになることがあり、この場合、クリーニング事故との誤解を招くおそれがある。このような摩耗事故が発生した原因には、以下の3つの大きな要素が考えられる。

1. 斜紋織構造であるこの製品の生地は、一般のワイシャツが、平織構造であるのに対して斜文織構造になっている。斜文織の場合、斜め方向に畝(うね)が立ち、摩擦によって畝部分の繊維が摩耗しやすくなる。
2. ワイドスプレッドカラーであるワイシャツのカラー(衿)には、一般的なレギュラー・カラーの他に、衿のデザインに応じて色々な種類がある。この製品は、レギュラーよりもカラーのスプレッド(開き)が大きいワイドスプレッドといわれるもので、衿の剣先が、生地に対してより鋭角的に当たることになる。
3. カラーの芯地が硬いこの製革のデザインの特徴(ワイドスプレッド)を強調し、維持するために、レギュラーカラーのものに比較して、硬めの芯地が使用されている。
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正常な状態の斜紋織構造の生地
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穴あきに至る前の畝部分が摩耗している生地
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摩耗して穴があいた部分
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摩耗によって切断された部分

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