ブラウスのスリット傷

イメージ べ一ジュ色の前タック付き長袖ブラウスです。生地にフラットクレープ(タテ糸に撚りのない糸、∃コ糸に片撚りの強撚糸を使った織物)が使われています。 検品・仕分け中、右袖上腕部に生地のヨコ糸に沿ってさざ波状の膨らみが4列できているのをみつけました。
組成表示 ポリエステル100%
絵表示 イメージ
発生原因 イメージこれは、スリットまたはヨコ引け傷といって、フラット・クレープでポリエステル減量加工生地のブラウス袖にできやすい特徴的な欠点です。
私たちが腕を上げ下ろす度に、脇部分の縫い目は引っ張られ、ある程度の負担がかかっているものですが、フラット・クレープでは、この引っ張りが重なるうちに、∃コ糸の強撚糸が伸びきった状態になり、強い光沢が出て来ます。ヨコ糸の伸びは、減量加工によってできたわずかなゆらぎ(糸間のすきま)をさらに広げることになり、撚りがかかっていないタテ糸がそのすきまを覆う形になります 。これが、さざ波状の膨らみに見えてしまうのです。このスリットは、
1. ∃コ糸 の強撚糸
2. 減量加工
3. 袖山の高さ
4. 袖幅に対する腕の太さ
という4条件がそろったために起きたものです。
ポリエステルブラウスは、袖に十分ゆとりのあるものを
こうしたスリットは、ブラウスの袖山の高いものほど、また腕の太めの方ほど 、脇部分の縫い目に負担がかかるため出やすいでしょう。このため、同じ減量加工のポリエステル生地であっても、ラグラン袖のものや、紳士用ワイシャツのように袖の大きいもの、袖山の低いもの、綿のブリードや麻のモッサ生地などにはスリットはできません。このブラウスをこのまま着用すると、左上腕部、バスト周辺、背中の脇縫い線近くに同じようなスリットがでてくるはずです。お客さまには、フラット・クレープの欠点を説明し、ポリエステルブラウスを買うときは、袖に十分ゆとリのあるものを選ぶことをアドバイスするとよいでしょう。

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