モール糸使いのセーター
クリーニング後、左右脇下に毛羽抜けが発生。
イメージ
組成表示
アクリル70%、レーヨン30%
絵表示
注意表示
モールヤーン製品の取り扱い
モール糸は原糸が短いカット繊維の集合体で、大変デリケートな性質があり、 着用中の摩擦により下着などに毛羽が付着することがありますが、外観への影響 はありません。また、糸どうしが摩擦されると引っ掛ける力が大きく、ループ状に引き出されるので、クリーニングの際には下記の方法でお願いします。
1.裏返してネットを使用する
2.負荷量を少なくし、短時間処理する
3.タンブル乾燥を避ける
発生原因 苦情の毛羽抜けは、両脇下部分のみであることがわかります。このセーターはモール糸使いであることから、これは一般にいうパイル抜けと推定されます。モール糸は、撚り合わせた糸の間にもう一本の糸(パイルまたは花糸)を織り込み、その糸をカットしてつくられます。
苦情品のセーターは、地糸にアクリルを使っており、そこにアクリルとレーヨンのパイルが織り込まれたものです。パイル部については黒色と白色の糸が交じって織られており、その白色の糸に多くパイル抜け現象が起こっているように見えます。通常、パイルが直接摩擦された場合は、パイル繊維の摩耗はあってもパイル抜けになることは少ないのですが、裏面に外力が加わった場合、パイルが抜けることがあります。
このことを合わせ考えてみると、袖や身頃が直接摩擦されてパイル抜けが生じたとは考えにくく、このセーターの下に着用していたインナーの袖や身頃が、 動く度に内側で摩擦作用がなされ、パイルの裏面に外力として力が加わったと同様の状態が生じ、パイル抜けになったものと考えられます。
なお、白色の糸に多くパイル抜けが生じているのは、白色の糸のほうが黒色より地糸への織り込まれ方が弱かったのではないかと思われます。

←事例研究一覧(トップ)に戻る 次の事例研究へ→
(C)1996-2002 Textile Maintenance Association,Japan